料理が苦手でした
飲食店店長にあるまじき発言かもしれませんが…
実は、開業当初、料理が苦手でした。
自信がありませんでした。全然。
だから、足りない腕は、素材のよさに補ってもらおうと思いました。
喫茶店メニューを考えながら、素材を選びながら、常に気を配っていたのは
「原価計算とか、一旦すっとばして、たくさんの素材を味わってみて、ほんとうに、いいと感じるものだけを使おう。」
もともと美味しいものは大好きだったので、素材の探求はとても楽しいものでした。
楽しいので、そこには惜しみなく、お金も時間も投資。
素晴らしい素材と出逢うと都度、いたく感動。
「わーー、もう、自然のするお仕事にはかなわないな…」
とか、
「作ってくれた人、感謝感謝、こんなに美味しいものを世界に産んでくれて
ほんとうにありがとうございます…🙏✨」
など。
何度、厨房で一人、しみじみ感謝したことかわかりませぬ。
そしてそれらの素材で、あれこれ試行錯誤して、大失敗もなんども重ねながらさまざまな料理を生み出し続けているうちに。
たどり着いた、自分なりのアンサーがありました。それは、
[ 美味しい料理をつくるコツは、みっつだけ! ]
ひとつ!
よい素材を手に入れること。
ふたっつ!
素材の持ち味を、生かすこと。
(失敗して持ち味を殺しちゃったときの残念感、もったいない感は、身を引き裂くようなつらみですしね…😭)
そして、みーっつ!
個性の違う食材同士を掛け合わせることで、それぞれの持ち味がより引き立てあう、
『ベストな地点』を見つけること!(まるで理想的な人間関係のようですね!)
これに、尽きるのかな、と。
料理を作るのは自分ではなく、素材。
素材たちがキラキラと輝くために、料理人はプロデューサーになる。
あとは、これはコツというか、技術的なことでは全然ないのですが、
ご機嫌で作ること!
(これはほんとうに大切にしていることなのですが、語ると長くなるのでまた別のブログで。)
これらのアンサーに、やっとこさ たどり着いたのは、何を隠そう開業から2年後くらいです。汗
今や大人気となったパンケーキ、誕生したのは開業から1年後でした。
そしてパンケーキのアップデートは、誕生からすでに余裕で10回は超えてると思います。
こんな試行錯誤の連続を、開業する前からもやっていましたが、
開業したあとも、ずっとやっていました。そしていまも。
ずっと発展途上。
これからも発展途上。
理由は単純で、その方が面白いから。
これを読んでくれているみなさまに、なにかもっともらしい感じで ひとつだけお伝えできることがあるとすれば…
「案外、始めちゃえばなんとかなります✨」
てなことでしょうか。
やりたくなったら、やってしまいましょう。
まだアンサーが出ていなくても(料理に自信がもてなくても、これが看板メニューだ!みたいなものをまだ確立できていないくても)、喫茶店、開きたくなったら開いてしまいましょう。
やりながら考えましょう。
やりながら成長しましょう。
永遠にアップデートしていけるのが人間。
多分、楽しんでそれを続けていれば、訪れる人たちはなんとなくそれを感知して、一緒に楽しんでくれるのかなと。
今も喫茶店に通い続けてくれている人たちを見ていると、そんな気がします。
そして失敗ほど、「自分だけのアンサー」に飛躍的に近づけてくれるものはないみたいです。
店主の失敗に、開店中リアルタイムで遭遇した方たちも少なくないかとおもいます。汗
ラムピリカはほんとうに、お客さんに恵まれているんです。あのときは、一緒に笑ってくれてありがとうございました。救われました。そして安心して、これまで成長し続けることができました。
こらからも、失敗を繰り返しながら、進化していけたらと思ってます。その過程もまた、よかったらお楽しみください☺️
あとは最後に、もう一つ、とても大切にしてることを。
「妥協は自分の心をしぼませる。
大切な人に食べてもらいたいものを。
自分の心が膨らむものを。テンションが上がるものを。
喫茶店では、お出しする!」
ということ。
成長途上でも、その時の最善を。
その時の最高新記録を。
そう決めています。
だってそのほうが、お仕事していて、気持ちいいから。
まずは自分の心が、膨らむように、潤うように、お仕事を。
その純度の高い喜びが、喫茶店を訪れる皆さまに派生していったら、こんなに嬉しいことってないとおもってます。